人に質問をするのは命令しているのと同じ

前の記事では会話について話しました。
今回も会話についてですが、もう少し掘り下げて話したいと思います。
会話の中でも、今回のテーマは「質問」についてです。


僕は人から質問されるのが苦手で嫌いです。
なんで嫌いかというと、人に質問するのって結局は命令しているのと同じだと思うんですよね。
質問というのは相手に回答してもらうことを期待して行われます。
質問された側はその質問に対して返答しなければいけません。


例えば、「あなたの趣味はなんですか?」という質問は「あなたの趣味は何か答えなさい」という命令と同じなわけです。
人から命令されたら誰だって嫌な気分になりますよね?
命令されるのが好きだなんて言う人はいないと思います。
この質問が日常会話で当たり前のように飛んでくるのですから本当にうんざりしてしまいます。


命令と同じく相手に行動を要求するもので「頼み」がありますが、「質問」は「頼み」よりも「命令」に近いと思います。
むしろ命令よりも質問の方が強制度合いが高いと思っています。
例えば、頼みであれば頼まれた側もまだ断りやすいです。
頼んでいる側も断られることを想定しているはずだし、断ったとしてもそこまで相手に不満を持たれることもないと思います。


しかし質問はかなり断りにくいです。
「年収いくら?」とか「初体験いつ?」とかのやや突っ込み気味の質問であればまだ断りやすいですが、「趣味は何?」とか「休みの日は何しているの?」といった些細な質問はかなり断りづらいです。
もし「答えたくない」と断ったりしたら、そのくらい答えてくれたっていいじゃん、といった感じに非難されてしまう可能性があります。
本来、質問している方が悪いはずなのに、なぜか断った側が非難されてしまう。
それはかなり理不尽に感じます。


質問されて腹立たしいのが、相手が自分が命令しているという自覚をしていないことなんですよね。
質問している側は相手に行動を強制している、負担を強いているという自覚がありません。
質問に答えてもらって当たり前だと思っています。


だから僕は質問されるよりも命令されるほうがマシだと思ってます。
命令なら命令している側は自分が命令していると自覚しています。
だからまだ命令の方が断りやすいんですよね。
命令される場合は、相手の方が悪いのが明らかなので、断ることに対して後ろめたさがないんですよね。
質問の場合は断る際にどうしても相手に対して少しだけ申し訳なく思ってしまいます。
こんな些細な質問に答えられない自分が悪いのかなと、軽い自己嫌悪に陥ってしまいます。
これがなんだかもどかしいんですよね。

 

許される質問

ここまで散々、質問を批判してきました。
では全ての質問が駄目かと言ったらそうではありません。
人と会話する上で質問はなくてはならないものですし、言ってもいい質問も当然あると思います。
言ってもいいタイプの質問をいくつか紹介します。


1つ目は二択で答えられる質問。つまりyesかnoかで答えられる質問です。
このタイプの質問であれば相手への負担が小さいです。
正しければyes,違っていればnoと答えればいいだけです。
例えば相手の好みを知りたい時、「趣味は何?」などと聞くのではなく、「最近映画にハマっているんだけど、あなたは映画は見ますか?」といった質問をします。
この質問であれば相手が答えるのも簡単だし、その後の会話も広げやすくなります。
yesと答えたら、共通の趣味があるわけだから話の展開がしやすいです。
noと答えた場合も、この例で言えば自分が最近見た映画を紹介したり、勧めたりと話を広げやすいです。


2つ目は相手に関係のない情報に対する質問。
これだと分かりづらいと思うので例を挙げると、「今何時?」とか「駅までの道を教えてくれませんか?」といった質問です。
これらもやはり質問を受ける側の負担が小さいです。
質問の答えを知っていれば、ただ事実を答えればいいだけですし、知らなければ「知りません」と答えればいいだけです。
このタイプの質問の良いところは、仮に答えを知っているが答えたくないときでも、「知りません」といえばそれで済むことです。
これが自分に関する質問、「趣味は何?」などの質問だと、「知りません」という言い訳が使えません。
自分に関することなので、知らないということはありえないからです。
このように答えたくない時に、質問を簡単に切り抜ける方法があるかないかは非常に重要だと思います。


3つ目は相手に質問を拒否する選択肢を与える場合。
例えば質問の前に「答えたくなければ答えなくて構いません」といった付け足しをする。
これなら相手も断りやすいので問題ないと思います。
やはりいきなり質問から入ってしまうと、どうしても断りにくくなってしまいます。
なので相手に質問を拒否する選択肢を与える。これが大事だと思います。


以上で終わります。お読みいただきありがとうございました。